太陽の光度は長期的に増加していますが、1億年前(白亜紀後期)の地球は現在よりもはるかに温暖でした。この一見矛盾する現象には、いくつかの重要な要因があります。
◆主な理由
1. 大気中のCO₂濃度の違い
1億年前の白亜紀は、大気中のCO₂濃度が現在の数倍(推定で1000-2000ppm以上)あったとされています。現在は約420ppmです。この強力な温室効果が、太陽光度の差を大きく上回る温暖化をもたらしていました。
2. 大陸配置と海流
白亜紀の大陸配置は現在と大きく異なり、海流パターンも違いました。極地方への暖かい海流の流入が現在より活発で、地球全体の熱分布が均一化されていました。
3. 極地の氷床の有無
1億年前には南極や北極に大規模な氷床がほとんど存在せず、アルベド(地表の反射率)が低かったため、より多くの太陽エネルギーが吸収されていました。現在は広大な氷床が太陽光を反射しています。
4. 地質学的活動
白亜紀は活発な火山活動があり、CO₂の放出が多かった時期です。また、海底の拡大速度も速く、これがCO₂循環に影響していました。
つまり、太陽光度の1%程度の増加よりも、大気組成(特にCO₂濃度)と地球システムの違いの方が気温への影響がはるかに大きいということです。気候は単一の要因ではなく、複数の要素の複雑な相互作用で決まるのです。